FAVORを使って損失ゼロ


FAVORTMを使って損失ゼロ

Mampaey氏とXu氏(下記の参考文献を参照)は、壁のジグザグ近似を使用して湾曲流路をデカルト格子で表した結果、かなりの数値的流動損失が発生する可能性があることを示しました。この損失には2つの原因があります。1つ目の原因は、格子境界のジグザグ部分において流れの方向が変化することです。方向が急変するたびに、運動エネルギーは少量ずつ損失します。流動損失の2つ目の原因として考えられるのは、ジグザグ境界付近の流体運動量移流の近似が不十分であることです。流路の外側の固体領域にある速度データを有限差分アルゴリズムで使用した場合、これらの値が流速低下の原因となるのが一般的であり、その結果、エネルギー損失が発生します。

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流動損失の軽減

FLOW-3Dではデカルト格子を使用しているため、数値的流動損失の影響があるかどうかという疑問が出て当然です。答えはノーです。影響はありません。FLOW-3Dで独占的に使用されているFAVORTM (Fractional Area-Volume Obstacle Representation)法では、格子セルの面や体積の細かい部分を滑らかにブロック分けすることにより、ジグザグな方向変化を排除します。FAVORTMには、界面面積の計算、壁応力の評価、数値安定性の強化、固体境界に沿った移流の計算などを目的とした一連の特殊なアルゴリズムも含まれています。

エネルギー保存の例

FLOW-3Dのエネルギー保存について、Mampaey氏とXu氏の実験を応用して簡単に示しています。図は、円形水路の下半分で、左半分に流体が配置されている様子を示しています。この流体は最初は静止していますが、下向きに重力がかかっているため、流体は水路の右側に流れます。流動損失が存在しない場合、この流体は、右側に流れたときに、左側での最初の状態と同じ高さに達するはずです。

この問題をFLOW-3Dでシミュレーションすると、自由表面のリアルなスロッシングの歪みはありますが(上図を参照)、流体の質量の中心は、水路の右側で最初とほぼ同じ高さまで上昇し、流動損失がほとんどないことを示します。格子が粗いことを考慮すると、この結果はいっそう注目に値します。

参考文献

F. Mampaey、Zhi-An Xu、『Simulation and Experimental Validation of Mould Filling』、Proc. Modeling of Casting、Welding and Advanced Solidification Processes VII、London、September 10-12、p.3 (1995)

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