FLOW-3D CAST 解析事例 – 高圧ダイカスト


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高圧ダイカスト

様々な鋳造法の中で、高圧ダイカストによる鋳造の中だけでも様々な課題があります。部品の多くは薄肉のため、メッシュによる形状表現に多くの計算セルが必要とされます。さらに溶湯は高圧、高速度で流入させる必要があり、結果として溶湯の噴霧化、空気の巻き込みや酸化膜による多くの欠陥が生じやすくなります。

FLOW-3D CASTには充填挙動の精度を高める幾つかの機能があります。一つは溶湯界面の輸送を正確に捉えるTruVOFアルゴリズムです。また複雑な幾何形状に対してはFAVORTM法を用いることで、形状表現の精度を高めています。さらにFLOW-3D CASTには空気巻き込み、マイクロポロシティ、不純物などの欠陥を検出する様々な物理モデルがあります。

アルミニュウムの製品部への充填完了時における酸化膜濃度を示します。

アルミニュウムの製品部への充填完了時における酸化膜濃度を示します。

アルミニュウムの製品部への充填完了時における空気巻き込みを示します。

アルミニュウムの製品部への充填完了時における空気巻き込みを示します。

 

高圧ダイカスト:充填解析

製品部への充填完了時における温度分布(右)と流速(左)を示します。

製品部への充填完了時における温度分布(右)と流速(左)を示します。

高圧ダイカストのモデル化において最も難しいのは高圧かつ高速度で射出された溶湯の挙動を正確に追跡することです。どのソフトウェアにおいても噴流状の溶湯が引き起こす様々な欠陥を予測するのは非常に重要です。図に示す事例では FLOW-3D CAST が高圧ダイカストの充填問題も十分に解けることを示しています。

6シリンダアルミエンジンブロックへの充填完了時における温度分布を示します。

6シリンダアルミエンジンブロックへの充填完了時における温度分布を示します。

 

高圧ダイカスト:凝固解析

赤は完全凝固域を示します。部品の薄肉部は速く凝固し、厚肉部は凝固が遅れる様子が分かります。

赤は完全凝固域を示します。部品の薄肉部は速く凝固し、厚肉部は凝固が遅れる様子が分かります。

FLOW-3D CASTは製造部品の品質に影響を与える引け巣の予測を行うことができます。また凝固時に発生する偏析を評価することもできます。詳細な温度履歴からは冷却管の追加や修正もしくは初期溶湯温度の変更など条件変更にも利用されます。

高圧ダイカスト:ショットシリンダーの最適化

充填完了時における温度分布を示します。薄肉部の温度が低下しているのが分かります。充填完了時における温度分布を示します。薄肉部の温度が低下しているのが分かります。

充填完了時における温度分布を示します。薄肉部の温度が低下しているのが分かります。充填完了時における温度分布を示します。薄肉部の温度が低下しているのが分かります。

高圧ダイカストでは溶湯の高速充填のためにショットシリンダーが使われています。その多くは水平に設置され、ピストンで溶湯を押込み、シリンダーの端部から溶湯を射出します。適切に設計されたショットシリンダーでは凝固による未充填や内部欠陥を避けるためにできるだけ速く溶湯を射出するのが望まれます。しかし、速すぎるとシリンダー内で溶湯が多くのガスを巻き込み、内部欠陥の原因となる場合があります。

溶湯を鋳型に押し込むショットシリンダー

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ショットスリーブ内で発生した酸化膜の製品内での拡散製品内部に酸化膜が広がっていくのが分かります。コンターは酸化膜濃度を表します。

 

高圧ダイカスト:熱サイクル解析

7サイクル終了後のH13鋼鋳型

7サイクル終了後のH13鋼鋳型

 

ダイカストでは大量生産により同じ金型が繰り返し利用されるため、熱サイクルはダイカストの解析に不可欠です。この解析では鋳造サイクルの各プロセスを通して金型の正確な温度分布を得る必要があります。FLOW-3D CASTでは溶湯の充填、凝固による金型の加熱、スプレー、エアブロー、冷却管による冷却を考慮することができます。

上図は7サイクル目の金型温度分布を示します(概ね温度定常)。冷却管は金型表面における温度低下位置にあることが分かります。

 

 

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