FLOW-3D European Users Conference 2013のご報告


FLOW-3D European Users Conference 2013のご報告(2013年6月12日~14日)

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恒例のヨーロッパユーザーズカンファレンスが2013年6月12日~14日に開催されました。 今年はスペイン、マドリードです。弊社からは丸湾、馬場が参加致しました。
成田から直行便がなく、オランダ-アムステルダム経由での旅になります。シェンゲン圏内のトランスファーは初めてでしたが、周り方々を見ていると入国審査はすんなり通っていた ので、自分もこの流れに乗れるかな…とすっかり安心していましたが、そう簡単には済まず、「…カンファレンスに参加するなら確認できるものは?招待状は?」うぅぅ…持っていない(そもそもない)…苦し紛れにたまたま持っていたホテル予約のメールを見せ、これしかない ことを訴えて、渋々通してもらいました…。翌日は日曜日。市内を散策しました。でも、なぜか飲食店以外、店が全て閉まっている!?人も昨日と比べてほとんどいない?!と思いながらぶらぶら散策。途中、なんだか急に人込みが…と人が集まる方へ向かうと、どうやらマラソン大会が開かれていたようでした。街が静かだったのはそのせいだったのでしょうか?ゴール周辺ではみんなビールをおいしそうに飲んでいました。でも、まだ朝なのですけどね…。ゴール前の建物はどこかで見たことあるような…きっと有名な所なのでしょう!(後から調べたら市庁舎でした…)途中至るところに由緒ありそうな建物がありましたが、写真だけ撮りつつ徒歩の限界に来たところで休憩。…のどかな一日でした。

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6月12日 FlowSight トレーニング

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この日は午後よりFlowSightのトレーニングがありました。FlowSightとはFLOW-3Dの 次期バージョンに組み込まれる新しいポストプロセッサです。CEI社のEnSightをベースに ポストプロセッサのさらなる強化を目指し開発が進められています。今回はそのベータ版を使ってFLOW-3Dの解析結果のポスト処理を習得致しました。汎用のポストプロセッサの ため非常に高度な出力要求にも応えることができそうです。

6月13日 ユーザーズカンファレンス1日目

いよいよカンファレンス当日です。今年は主催者、ユーザ様含めて発表数が24件で2日間に分けられています。特にユーザ様のご発表が多く、1日目は水理と鋳造セッションが2つに分かれました。

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まずは開発元Flow Science社から次期バージョンに向けた現在開発中の機能紹介がありました。鋳造に関わるモデル追加、改良や新しい洗掘モデル、FSI/TSEの新機能、また進化したメッシング機能について報告がありました。このメッシング機能によりこれまで多くのメッシュが必要だった解析でも効率良くメッシュ作成することができそうです。

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GUIについては現在リリース中のver.10.1のパッチと前日にトレーニングを実施したFlowSightの現在の開発状況について報告がありました。

引き続きユーザ様のご発表が続きました。丸湾は水理のセッション、私は鋳造のセッションに参加致しました。鋳造のご発表は全部で6件ありました。

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まずはフィンランド、Hanninen Engineering社から。設計から試作、製造に至る過程で、CAEは欠かせない存在となりましたが、その一部としてFLOW-3D Castをご利用頂いているユーザ様です。トータルコストの削減に如何に解析ツールが貢献しているかご説明頂きました。

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イタリア、Form Stampi社からはアルミダイカストの事例のご発表です。ダイカストでは充填完了時に加圧効果により引け巣の抑制を図りますが、解析により実製品で発生する引け巣の再現を行っておられました。加圧あり、なしの場合での比較、実際の引け巣と解析結果との相違など、実製品も見せて頂きながら確認することができました。

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スペイン、Politecnica de Cartagena大学からはダイカストにおける空気巻き込みに関するご報告です。プランジャー内部とキャビティ内部の流動挙動を水実験で再現し、FLOW-3Dとの比較を行っておられました。ピストンスピードによる界面形状の変化と解析結果が非常に良く一致していました。 また、シンプルな平板キャビティ内の流動挙動はハイスピードカメラによる映像で確認できました。どのように空気巻き込みが発生するのかが良く分かり、大いに参考になりました。解析では界面追跡の精度を上げる場合、ガスの効果が重要になることが分かりました。

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イタリア、XC Engineering社からはユーザ様からご提供頂いた重力鋳造の実験データを元に、解析で使用されるパラメータの設定に関するご発表がありました。鋳造解析では各種熱伝達、物性データ、鋳型表面の粗度など、熱・流動に関わる様々なパラメータの設定が必要になります。実験データを忠実に再現するパラメータを見つけるのは手間の掛かる作業で、ご報告では最適化ソフトウェアを利用して適切なパラメータを評価されておりました。本解析で設定された各種パラメータもご提示頂き、重力鋳造でのパラメータ設定の参考になりました。

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デンマーク工科大学からはメタル・マトリックス・コンポジット(MMCs)に関するご報告でした。 MMCsは鋳造品の軽量化、高強度、耐摩耗性などの面で期待される素材です。多孔質性の素材中の流動現象を捉えるため、ご報告では実際に細かな多孔質形状を再現し、その内部流動を解析されて おりました。この種の解析では開口率を与えるポーラスメディアモデルを利用することが多いのですが、実際の現象を正確に捉えるにはこのような基礎研究が必要となります。微細な形状を細かなメッシュで再現するため、計算時間の面などご苦労も多いようですが、多孔質内部の流動の様子は現実に近いようで、今後、さらに物理モデルを加えて精度を高めていかれるそうです。

鋳造のセッションが終わり、余った時間は水理のセッションへ。ちょうどご発表が始まるところでした。

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本日最後はポルトガル、リスボン工科大学の魚道に関するご発表です。魚道はダムの脇など設け られる魚が川を遡上するための水路で、魚の生態系を守る上で非常に重要なものです。ダムの大きさに比べると目立たないのですが、ダムの設計、保守の面でも細心の配慮が必要となります。魚が遡上しやすいような水路内の水位、流速分布など、解析と実験との比較を行っておられました。

6月14日 ユーザーズカンファレンス2日目

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2日目、始めはアメリカ、CEI社からEnsightのご紹介がありました。FlowSightはEnsightとほぼ同等の機能を持ち、これまで対応していなかったVolume renderingやカメラ位置の移動、ポスト処理のカスタマイズなど、様々な便利な機能をご紹介頂きました。

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ドイツ、Bremen大学からは表面張力による毛管現象のご発表です。宇宙工学の研究室の方で、微小な重力、スケールにおける液の搬送は表面張力の影響が非常に重要になります。毛管現象 による液の濡れ上がり、速度などを評価されておられました。表面張力は界面形状の高い精度 が要求されるため、非常に難しい解析となりますが、FLOW-3Dは実測と非常に良く一致していたようです。

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同じくBremen大学、同研究室から推進燃料のための基礎研究のご発表がありました。水素ガスの気泡挙動を微小重力下で解析されておりました。気液2相流で蒸発を考慮し、相変化による膨張を確認されておりました。微小重力下など実験が困難な場合には、やはりこのような解析ツールが有効なようです。

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イタリア、Padova大学からは人工衛星燃料タンクに関わるスロッシングのご発表です。燃料タンク内の液体挙動が人工衛星での観測に影響を与えるため、人工衛星の動きに対するタンク内挙動及びタンクに掛かる力の評価を解析解と比較されておりました。

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ドイツ、Roche Diagnostics社からはディップコーティングのご発表です。ディップコーティングは被塗布材を引き上げていくことで表面張力により塗布を行っていきます。解析ではピンニングの効果を利用し、塗布膜を形成されておりました。様々な材料特性に対する 膜厚が重要で、ご報告では実測と良く一致しているとのことでした。

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ドイツ、ミュンヘン工科大学からは河川における汚染指標細菌の分布評価のご発表です。バクテリアも異なる大きさ、形、密度ではありますが、マクロ的な視点では濃度で評価することができ、シミュレーションによりどのように輸送、沈降するかが確認できます。

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スペイン、Sendekia社からは波力発電の検討にFLOW-3Dをご利用頂きました。円柱状の浮体内部にタービンが設けられ、波の動きで内部のタービンが回転する発電装置で、試作機のデータと解析との比較を行っておられました。

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今年のユーザーズカンファレンスも内容豊富で非常に有益な情報を得ることができました。 ご発表が多く、セッションが分かれてしまい、一部拝聴することができなかったのは残念でしたが、また資料を確認し、サポートの上で日本のユーザ様にもお役立てできればと思います。

 

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