FLOW-3D によるCPU冷却装置の解析


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FLOW-3DによるCPU冷却装置の解析

1.はじめに

近年、集積回路技術の発展によりCPUの性能が著しく向上しています。それに伴いCPUの発熱量も増加し、冷却装置(CPUクーラー)の性能も強化されてきました。CPUは高熱になると電気抵抗率の変化による半導体機能の低下、異常な熱膨張・収縮による寿命の低下などを引き起こします。これらの問題を防ぐためにはCPUを十分に冷却する必要があります。CPUクーラーを解析するにあたり、FLOW-3Dの一般移動障害物を適用してファンを回転させることで風を作り出します。作り出した風をヒートシンクに吹き付け、熱・流動と連成して解析を行います。ヒートシンクのフィン厚さ、枚数、ファンブレードの枚数、回転数など設計に必要な条件をFLOW-3Dによる解析を行うことでより良いCPUクーラーの設計を行うことができます。

2.シミュレーション

図1に示すようなCPUクーラーのシミュレーションを行います。CPUは1×1 [cm]の正方形で高さ1 [mm]です。材質はシリコンとします。また、ヒートスプレッドは4×4 [cm]の正方形で高さ5 [mm]です。材質は銅とします。ヒートシンクは4.2×4.2 [cm]の正方形で高さ4 [cm]です。フィン枚数、厚さは可変で、材質はアルミニウムとします。ファンブレードの枚数は8枚で固定とし、材質はプラスチックとします。

図1 CPUクーラー(フィン枚数n = 21)

図1 CPUクーラー(フィン枚数n = 21)

 

 

 

 

このCPUクーラーにおいてヒートシンクのフィン枚数を3および5、7、9、11、13、15、17、19、21の10パターンについて解析します。物理モデルについては、(重力加速度9.8 [m/s2])とMoving and simple deforming objects(CPUファン: Prescribed Motion、密度900 [kg/m3])、Heat transfer、Viscosity and turbulenceを選択します。シミュレーションは60 [s]まで実行し、CPUファンの回転数は2500 [rpm]で一定とします。シミュレーションに用いた物性値を表1に示します。

表1 シミュレーションで使用する物性値

表1 シミュレーションで使用する物性値

3.シミュレーション結果

図2にシミュレーション結果を示します。

ストリームラインのコンタは流速を表示しています。

ストリームラインのコンタは流速を表示しています。

コンタは壁温度を表示しています。 図2 シミュレーション結果

コンタは壁温度を表示しています。
図2 シミュレーション結果

コンタは壁温度を表示しています。 図2 シミュレーション結果

コンタは壁温度を表示しています。
図2 シミュレーション結果

また、ヒートシンクのフィン枚数に対するCPUの平均温度を図3に示します。

図3 ヒートシンクのフィン枚数に対するCPUの平均温度

図3 ヒートシンクのフィン枚数に対するCPUの平均温度

 

一般にヒートシンクではフィン枚数が増加すると表面積も増加し、それにより空気に接触する領域が広がることで冷却効率が向上します。このシミュレーション結果からもその相関が確認できます。

 

提供:三重大学 高木 優斗様・株式会社フローサイエンスジャパン

 

 

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