境界条件 – 圧力


境界条件 – 圧力

計算領域の1つまたは複数の境界で圧力条件を指定できることは、重要かつ便利な計算手段です。圧力境界とは、流体の密閉容器、実験室の周囲条件、機械装置から加えられる圧力のようなものを表します。

一般的に、圧力条件は、速度も同時に指定されている境界では使用できません。これは、速度が圧力勾配の影響を受けるからです。唯一の例外は、状態方程式によって、流体の特性、たとえば境界を超える密度などを指定する際に圧力が必要な場合です。

圧力境界条件の種類

通常、圧力境界条件には2種類あり、それぞれ静圧条件、よどみ点圧力条件と呼ばれます。静圧条件では、圧力は境界を越えてもほぼ連続していて、境界における速度には、境界と交差するゼロ法線微分条件に基づいて値が割り当てられます。

対照的に、よどみ点圧力条件は、境界における速度がゼロになるように、境界の外のよどみ条件を想定します。このように想定するには、流れが計算領域に入るために、境界と交差する圧力損失が必要です。

静圧条件は、境界における流体法線速度がゼロ勾配であることだけを想定しているため、よどみ点圧力条件ほど具体的ではありません。この意味で、よどみ点圧力条件のほうが通常はより物理的であるため、ほとんどの用途に推奨されます。

圧力境界の例

たとえば、パイプの一部における流れの問題について考えます。一方で、計算領域の上流の先端部分がパイプの物理的入口と一致する場合は、よどみ条件を使用して外部環境条件を定常流体の大きな容器として表現する必要があります。もう一方で、計算領域の上流の境界がパイプ内にあり、直径が入口から大きく離れている場合は、静圧条件が、その場所における流れ条件のより合理的な近似となります。

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